麻雀 新世代の戦術革命 (マイナビ麻雀BOOKS)
著者: 馬場裕一
単行本: 224ページ
出版社: マイナビ
発売日: 2013年5月15日
価格: 1,470円(税込)
■ 内容紹介
ネット世代が革命を起こした麻雀戦術の「今」を凝縮した一冊!!
現在の麻雀戦術を見渡してみると、小倉プロ、渋川プロを中心とした若手がデジタル、合理的思考を武器に、これまでには考えられなかったような手筋や考え方を次々に編み出している一方、昔ながらの手作りや流れを重視している方もおり、非常に混沌としています。
では一般の麻雀ファンはどうしているかといえば、各種麻雀媒体やネット上でさまざまな戦術論が飛び交っている中、部分的に見聞きした戦術を採用しているが現実ではないでしょうか。
本書はそんな激動の麻雀界において羅針盤となる一冊。
ベテランプロ、中堅プロ、若手プロ…すべての世代の麻雀を見てきたバビィが現代麻雀戦術の地図を描き出します。
リーチの判断、仕掛けのタイミング、理牌や引っ掛けに対する考え方、子の第一打ダブ東切り、好牌先打の是非。以前と現在の違いを明らかにし、その裏にある考え方にも迫ります。もちろん、バビィならではの巧妙な語り口は健在で、麻雀年代記という読み物としても十分楽しめる一冊、まさに麻雀伝道師、バビィにしか書けない内容といえるでしょう。
ぜひ本書を読んで自分の麻雀戦術を見つめ直していただき、「今」の麻雀を体得してください。
■目次
第一章 バビィの古今戦術の比較
その1.ピンフのみはリーチかヤミテンか
その2.タテの重なりを捕らえる
その3.奇天烈な仕掛け
その4.理牌に対する考え
★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語(1)』
その5.モロ引っ掛け
その6.子の第一ダブ東
その7.トップ目の戦略
その8.後付け先付け
★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語(2)』
その9.外に伸ばす?内に寄せる?
その10.好牌先打の良し悪し
その11.捨て牌読みは守備か攻撃か
第二章 世代対決-実戦編-
対局者紹介
世代対決実戦編1
★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語(3)』
世代対決実戦編2
世代対決実戦編3
世代対決実戦編4
★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語(4)』
世代対決実戦編5
世代対決実戦編6
世代対決実戦編7
世代対決実戦編8
★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語(5)』
世代対決実戦編9
世代対決実戦編10
対局を終えて
★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語(6)』
【著者略歴】馬場裕一(ばば・ひろかず)
麻雀評論家。1959年5月1日生まれ。東京都出身。立教大学文学部日文科入学と同時に史上最年少での麻雀プロとなる。東京六大学麻雀リーグ戦では立教大キャプテンとして出場。『メンチンのバビィ』はこの時定着する。近代麻雀誌などで編集・ライター・劇画原作者として頭角を現す。『バビィ』の愛称で、片山まさゆきの『スーパーヅカン』『ぎゃんぶらあ自己中心派』などに登場。ありえないほどの遅筆ながら、『メキメキ強くなる!バビィの麻雀特訓コース』『手牌が透ける!?バビィの麻雀捨て牌読み』『バリバリ強くなる!!バビィの麻雀鉄板セオリー』『実戦!ブレイン麻雀 言い訳無用のリアルタイム麻雀解説』『バビィの麻雀 何切る180連発!!』など著書多数。
購入はこちら → amazon.co.jp
■ 管理人の感想
長年麻雀界をアリーナ席で見てきたバビィこと馬場裕一の最新刊。
キャッチフレーズは・・・
『 ネット世代が革命を起こした麻雀戦術の「今」を凝縮した一冊!! 』
『 麻雀戦術が語られはじめて50年近く。そのひとつひとつを、再検証する 』
これは今年一番の期待本! 名著の予感!!
・・・だったのですが、フタを開けてみれば”不満だらけの本”でした(´・ω・`)
まず、取りあげられてる戦術分析の題材(テーマ)が少ないです。 考察も甘いように思えます。
そして、テーマに対しての明快な解答がありません(´・ω・`)
『ベテラン派?ヤング派?何を切る!?』と題した、何切るも何問かありますが、答えがヤング派とベテラン派、2種類の打牌が書いてあるだけで、どちらが正しいかは書いてありません(´・ω・`)
上のような、理で確実に答えが出る問題に対しても、本書には明確な解答はありません(´・ω・`)
ちなみにですが、本書ではヤング派の答えが4萬、ベテラン派の答えが8萬になっています。
逆じゃないの?それ?(´・ω・`)
これに限らず、ヤング派の答えに納得がいかないものが多いです。
ハッキリ言って、バビィは最新の麻雀戦術を理解できていないと思われます(´・ω・`)
致命的なのは”赤牌アリ”が前提になっていないことですね(´・ω・`)
現代では、「ピンフのみはリーチかヤミテンか?」のテーマだけでも、祝儀の扱いを含め、さまざまな戦術が提唱されています。
解説に祝儀のシュの時も出てこないのはダメでしょ?(´・ω・`)
また、解説内に登場するプロや解説者のほとんどが匿名。
大人の事情なのかもしれませんが、これにより面白さは半減。
また、 ベテラン=流れ派、若手=デジタル とひとくくりにされているような印象も受けるんですよね?(´・ω・`)
そもそも、バビィが過去と現代の戦術を比較・考察した本は今回が初めてではありません。
1089年には『 バカヅキハリケーン
』、2002年には『 バカヅキタイフーン
』を、漫画家の片山まさゆきと共著という形で出しております。
『 バカヅキハリケーン
』(1089年)、『 バカヅキタイフーン
』(2002年)
これらは、ボリューム・内容共にとても良くできたオススメ本でした。
うーん・・・結局バビィ一人じゃダメってことなんじゃないの?(´・ω・`)
一番ひどいのは、本書の半分を占める第二章の部分 『世代対決 -実戦編-』。
これはバビィが選出したベテラン雀士とヤング雀士を対決させ、バビィがリアルタイムで解説したもの。
ここで選出された雀士はプロでもなんでもなくバビィのお友達( ゚д゚)
そしてここでも匿名。 一応選手プロフィールはあるのですが、ベテラン派の一人は”ここ数年は年1回打つ程度”、ヤング派の一人は”ネット麻雀経験無し”と書いてあります・・・あきらかに人選がおかしい(´・ω・`)
そして、ベテラン雀士の無理な三色やチャンタ狙い・・・
上の手牌から789の三色狙いで、打5索。
無理な三色狙い狙いとか、そんなレベルじゃないぞ! この対局ヤラセじゃないのか?(´・ω・`)
・・・で、このつまらない対決が本の半分を占めてるという悲劇・・・( ;∀;)
あとは、『答えてバビィ!』と題した質問コーナー。
「Q.麻雀の本によってチートイツは1ハンだったり2ハンだったりしてるのですが、どっちが正しいですか?」
・・・といった初心者が一度は悩む12の質問に答えています。
これも1996年に出版された『 答えてバビィ -1卓に1冊!!麻雀もめごと和睦の書
』の劣化版(´・ω・`)
『 答えてバビィ -1卓に1冊!!麻雀もめごと和睦の書
』(1996年)
コラムだけは面白かったです。
第1章の戦術比較も、読み物と割り切るなら楽しく読めるかもしれません?
ただ、管理人にとっては、今年一番の期待ハズレ本になったのは間違いないです。
かなり厳しいことを書いたようですが、期待が大きすぎたってのもありましたかね?
でも、本の紹介欄に、小倉プロ、渋川プロ等の名前があるのですが、それらの名前が本文中に一度も出てこないってのはどうなのよ?(´・ω・`)
初~中級者向き
赤対応: 一部対応
総合評価 37点
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■誤植
P78 牌姿はドラ5sだが、解説はドラ2sになっている。
P37 ベテラン派の答えの部分 高め1m → 高め1p
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