山読みを制する者は麻雀を制す(日本プロ麻雀連盟BOOKS)
著者: 滝沢和典
単行本: 224ページ
出版社: 毎日コミュニケーションズ
発売日: 2013年10月12日
価格: 1,470円(税込)
■ 内容紹介
「読めるならば攻撃に生かせる読みをということなのだろうか、15年ぐらい前から「山読み」というものが流行り始めた。
つまり、捨て牌相から相手の手を読むのではなく、山を読むのである。あるいは、相手の手と山の両方を読み、アガりやすい牌を探そうというわけである。本書はその「山読み」をメインテーマにした戦術論である」(まえがきより)
いくら牌効率をマスターして待ちの広いテンパイを取ったとしても、そのアガリ牌が山になければ一生ツモアガることはできない。
そこで、もし山にある牌が分かるとしたらどうだろうか?もし完全に分かれば無敵、卓上を支配することができるだろう。
早いアガリを重視する現代麻雀において「山読み」は最重要項目だといわれる。
本書は日本プロ麻雀連盟きっての「読みのスペシャリスト」滝沢和典プロが山読みと真剣に向き合い、山読みをどうやって行い、どのように使うかを徹底的に考え抜いた書籍となっている。
本書の内容をすべてマスターして実戦に臨めば卓上の支配者に一歩近づけるはずです。
【著者略歴】滝沢和典(たきざわ かずのり)
日本プロ麻雀連盟所属のプロ雀士。(現在、同団体内での段位は六段)。
未来戦士21杯でTV対局に初登場、センス抜群の麻雀で一躍脚光を浴びる。
その後順調に活躍を続け、タイトルも獲得。
現在MONDO21ではプレーヤーとしても解説者としても出演しており、冷静な打牌、論理的な解説には定評がある。
■主な獲得タイトル
王位 2期(第32・33期)
MONDO21王座決定戦(第2回)
第13回 ロン2チャレンジカップ 優勝
第4回 野口恭一郎賞棋士部門
第1回 麻雀フォーラム21 優勝
第1回 麻雀トライアスロン・雀豪決定戦 優勝
■目次
◆第一章 山読みの基本
不要牌を狙う
序盤の捨て牌に注目
場に安い色はツモれる
一色手の裏を獲る
手順より山読み
山読みより手順
守備時は逆
リーチとヤミテン
かたまりを読む
捨てられたスジの内側は0.5枚
様子を見てから色に走る
コラム01 ワースト10
コラム02 牌譜検証のススメ
◆第二章 モンド杯優勝への道 予選
一手前に気づく力
わずかな差の積み重ね
暗刻は危険の幻想
第1打の配慮
方向転換
ツモと争わない
終盤は情報の宝庫
敵の読み
山を読みメンツ構成を整える
山に濃い待ちを待つ
絶好テンパイは何度でも
山にある字牌
コラム03 デジタルとアナログ
◆第三章 モンド杯優勝への道 決勝1回戦
立ち上がりに注意
後手を想定
安ければ良いとは限らない
山読みフリテンリーチ
七対子で生きる山読みの極意
ドラ付近は読みづらい
山読みと手順
コラム04 受身がとれるか
◆第四章 モンド杯優勝への道 決勝2回戦
ション牌待ちの不安
手牌について考える
敵のスピードを読む
役牌ポンのタイミング
山山にある字牌を読む
同条件なら外を選ぶ
山読み愚形リーチ
コラム05 将棋
◆インタビュー
魂のなき
◆観戦記
第33期王位戦
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■ 管理人の感想
初の山読みをメインテーマに据えた戦術書・・・
だが、第1章(山読みの基本)こそ山読みの解説オンリーだが、第2章以降は滝沢プロが優勝した第13回モンド杯の解説を中心に構成してあるため、山読みとは関係ない部分も多い。 ちなみに、このモンド杯は赤無し。
かなり期待した一冊だったのですが、残念ながらこの本にはたいしたことは書いてありませんでした。
少なくとも、『山読み』という技術の記述だけで言えば、あまりにお粗末な出来(´・ω・`)
特に最新の戦術コラム(例えば 渋川難波プロ
の戦術等)を読んでいる人には、稚拙な読みに映る可能性も高いかと思われます。
基本的に科学的根拠はありません。
あくまで、経験則のみで書かれたものと思った方が良い。
確率やデータというのは、しょせんはこのようなものである。 (P49)
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私はどちらかというとアナログ派なのだが、それは牌効率や数値的な読みが苦手だからではない。むしろ得意な方だと思うが、デジタルだけでは成長がないと思っているからである。 (P116)
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本人は『どちらかというとアナログ派』などという言い方をしているが、滝沢プロは間違いなくアナログ派である。
デジタルにも理解があるようなことを書いているのだが、管理人の目には確率やデータを軽視しているようにしか映らなかった(´・ω・`)
しかも、滝沢プロ本人は数値的な読みが得意と言っているが、簡単な確率やデータすら正しく使えていない・・・どう見ても数字に弱いぞ(-公- )
参考 → 【間違い探し】 山読みを制する者は麻雀を制す (滝沢和典・著) より
誤植がひどい・・・本の構成も悪い(´・ω・`)
山読みの本なので、当然立体図を元に解説がされるのだが、この立体図が誤植だらけで解説と対にならない。
しかも全体牌譜が無いので、読みが正しいか確認出来ないどころか、誤植すら直せません。
立体図を使った山読みの本なのに、全体牌譜が無いのは痛いですね。
つまらないおまけも付いています。 最後の第33期王位戦(2007年)の観戦記・・・何これ?(´・ω・`)
こんな何年も前の観戦記持ってきてどうするの?(´・ω・`)
なんとも期待ハズレの一冊でした(´・ω・`)
これだけ誤植だらけだと読む気も失せます(´・ω・`)
中級者向き
赤対応: 無し
総合評価 56点(※誤植が訂正されるであろう第2版からは、もう少し点数を上げて下さい)
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■誤植とツッコミ
P12・16行目 北が手出し → 立体図には北が一枚もないww
P46からの項目 → メチャクチャ 詳しくは こちら
P49・1行目 1筒が南枚 → 1筒が1枚
P60 牌符検証のススメ → 誤字 牌譜
P61・図A 南家が2人いるww
P62・図B ここにも南家が2人いるww
P66・6行目 1mは仕掛けていないが → 1p
P112~ 文章では白と東が2枚切れになっているが、立体図では白が2枚切れになっていない
P125 シャボにする選択肢には触れなくて良いのか?(´・ω・`)
P149 立体図が既に8sが切られた状態になっているにで、後の文章が全てゴミになっている(´・ω・`)
P167 立体図が足りない。本書の図Bは足りない図を開いたもので図B3になるはずと思われる。
P197 平面図の局面がおかしい。 オーラスの西家が正解
P208 リーチの牌が横に曲がっていない。もう一牌あるのかも?
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